真鱈の揚げ出し みぞれ餡

こういうシンプルな料理にこそ和食の技量が試される気がします。浮ついた華やかさではなく、真に通づる美味意識を追求したいです。
妄想レシピ
もうそろそろ鱈の季節は終わりですが、旬の時期には鱈の切れ端がこんもりと包まれて安く売られていたりします。そんなものをみつけた時にはとやかく考えず買ってしまって、帰りながらあれやこれや、どう調理してやろうかと考えるわけです。
鱈はあっさりとして旨味のある、それでいてふわっとした食感が特徴だから、カラッと揚げて外はカリッと中はふわっとがいいだろう。油がしつこくないよう高めの温度でさっと揚げる、衣に大葉を混ぜてさっぱりとした香りをつけるのもいいな。味は薄めで鱈の旨味を引き立たせるように、出汁を使うなら鰹じゃなくて昆布出汁を合わせるのが定石だろう。そういえば冷蔵庫に大根もあったんだ。おろしてのせれば餡もよく絡んで、これまたさっぱりといただけるに違いない。
そんなことを考えながら帰って作って、その料理が一発で旨いものになったら最高ですね。鱈の絶妙な揚げ加減が少し難しいですが、それ以外は概ね予想通りの美味しさにできました。週末ともなればこんな具合に、如何に旨い酒を呑むかなんてことを考えるわけですから、料理が楽しめるというものです。
作り方
鱈は一口大に切り、軽く塩をふっておきます。小麦粉と水を混ぜ天ぷらの要領で衣を作り、そこにみじん切りにした大葉を加えて混ぜ合わせます。鱈に衣をまとわせ、一七〇度くらいの温度でカラッと揚げて器に盛っておきます。
昆布出汁、醤油、みりんを合わせ火にかけ、煮立ったら片栗粉でとろみをつけます。器のへりから餡を静かに注いで、仕上げに大根おろしと刻みねぎを添えればできあがり。大根を崩しつつ、鱈はその都度餡にくぐらせていただけば、衣の食感も楽しめるものになります。
材料(二〜三人分)
- 真鱈(切り身)
- 三切れ
- 大葉
- 三枚
- 大根
- 三分の一本
- ねぎ
- 適量
- 昆布出汁
- 一カップ
- 薄口醤油
- 大さじ二杯
- みりん
- 大さじ二杯
- 片栗粉
- 適量