くらげごはん。

くだくらげの食と料理の記憶をつづる

汲みあげ湯葉の秋香あん

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大豆のあまりに優しすぎる甘みと味わいにたまらなく癒されます。いつもそっと寄り添ってくれる大切な人のように。

食を楽しむ料理

最近は淡白な食生活に慣れてしまったせいか、脂っこいものが苦手になってきました。ふつうの揚げものはまだまだ美味しくいただけるのですが、脂ののった和牛のようなものは少し遠慮してしまいます。少し食べたくらいでもなんだか胃がもたれてきて、なんだか年寄りみたいなことをいつも言っています。湯葉は昔から好きでしたが、愛知にいる頃は生の湯葉など食べる機会は一度もなくて時々旅に出た時に好んで食していました。京都に住むからには一度は汲みあげ湯葉をいただきたいと思ってたので、先日お店に行っていただいて来ました。湯葉をいただくのは久しぶりでしたが、優しい大豆の味わいは美味しさとともに癒しを感じました。汲みあげるという所作も楽しいですし、一度汲みあげた後は次の膜が張ってくるまで会話に花を咲かせるなども良いと思います。それは食を楽しむことの大切な部分が詰まっているようにも思います。汲みあげ湯葉は最初と最後では違う印象があります。豆乳がだんだんと煮詰まってくるので、最後の方は濃厚でドロっとした印象があります。私はちょうど中間ぐらいの、豆乳が少し煮詰まってトロッとしたくらいの湯葉が好きです。湯葉が張って少し早いかなと思うくらいが、好みの食感です。

作り方

ホットプレートもしくはフライパンなどに豆乳を入れて弱火でゆっくりと温めます。フライパンでやる場合はIHクッキングヒーターを使ってやるのが良いです。弱火の調整がしやすいですし、直火だと焦げてしまいやすいです。本当は湯煎でやるのが一番良いです。だんだんと湯気が出てきて薄い膜がはってきます。膜がはったらフライパンの端の湯葉を箸で剥がすようにして、真ん中あたりを持ち上げて器にとります。あとは生醤油でいただいても良いのですが、今回は柚子の香りのあんをかけてみました。

出汁に醤油とみりんを加えて一煮立ちさせ、水溶き片栗粉でとろみをつけます。柚子の皮を細かいおろし金で削って、あんに加えて香りをつけます。湯葉にあんをかけて、仕上げに柚子の皮をあしらってできあがりです。

材料(二人分)

豆乳
一リットル
出汁
一と半カップ
薄口醤油
大さじ一杯弱
みりん
大さじ一杯
片栗粉
大さじ一杯
柚子
少々