くらげごはん。

くだくらげの食と料理の記憶をつづる

小鮎と夏の天ぷら

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夏の天ぷらは野菜がどれもほんとうに美味しいですね。なす、おくら、万願寺とうがらしにみょうが。ビールも美味しく飲めます。

たくろうとハゼ釣り

「おい、釣り行くか」と言う父の声を今でも思い出すのは、よしだたくろうの夏休みという曲を聴く時です。その頃父が乗っていたのはトヨタのクラウンで、その車にはいつもよしだたくろうのカセットがカーステレオに入っていました。私達兄弟は夏休みという曲が妙に気に入っていて、あの曲にしてよと言っては曲に合わせて口ずさんだのを覚えています。そしてその曲の後はアコースティックギターブルースハープが鳴って、浴衣の君はすすきのかんざし〜と続くのです。

車で知多半島のどこか海辺までハゼ釣りに出かけて、地元の子供に教えてもらったポイントは面白いように釣れました。帰り道の夕暮れ、父がハンドル横のサイドブレーキを引いてストンとやるのがどうにも気になっていました。幼い私には車の運転のことなど全くわかりませんが、その仕草がちょっとかっこよくて、車が止まって誰もいない時に引いてみたり。

その日ばかりはと父が台所に立ちハゼをさばいて、天ぷらにして食べました。それがふわふわで柔らかくて、ほんのり甘くて美味しかったです。きっと今ならその後冷たいビールを一口飲むのでしょう。

作り方

天つゆは出汁としょうゆ、みりんを混ぜて沸騰寸前まで熱して冷ましておく。卵をといて、水を加えて一カップ程度になるようにします。小麦粉をあわせてさっくりと混ぜる。完全に混ぜずに粉が残っているくらいが丁度良いです。混ぜすぎたり、作りおきしておくと上手く出来ません。具材に薄く小麦粉をつけて、さっと衣に通し一七〇度の油で揚げます。かき揚げは桜えびに刻んだ青しそと少量の小麦粉をまぶして混ぜ、衣と水を少しずつ加えてさっと混ぜます。スプーンで形を整えながら油に落とし、両面さっと揚げて出来上がりです。揚げすぎずに一分以内でさっと揚げるのが良いと思います。夏はビールを飲みながら天ぷら祭りすると楽しいです。

材料(一〜二人分)

小鮎
一〇〜二〇匹
桜えび
六〇グラム程度
青しそ
三〜四枚
好きな野菜
好きなだけ
出汁
カップ
しょうゆ
大さじ一杯
みりん
大さじ一杯
一個
小麦粉
カップ